TuneCore Japanのスプリット機能が素晴らしいと思う。

2019年10月4日

~機能がリリースされて感じたこと~

 

自身もTuneCore Japanさんで作品配信をしています。
大手の配信ストアを網羅していて、ここに登録すれば全世界にも配信出来る。

そういったサービスは現在では他にも存在しますが、今回機能追加されたスプリット機能がものすごく個人クリエーターの共作によるリリースのハードルが下がっていいのではないかと思います。

音楽には色々権利がありますが…まずは著作権…JASRACのことがよく話題になっていますが…
これは楽曲そのものに対する権利。著作者に対する権利になります。
そしてもう一つ大きいのが原盤権。これは録音した音源そのものに対する権利。

今回、著作権の事はややこしいのもありますが、ひとまず置いておきます。
スプリット機能のほうの感想的なものなので。

置いときますといいながら、著作権にふれると…これは楽曲そのものに対する権利なので、作家さんに権利があります。これは基本的に変わりません。
でも、原盤権というのは権利者はざっくりいうと、その音源そのものを作った人のもの。
(著作権に関してはクリアになっていることは前提で…)

例えばAっていうアーティストの「僕の曲」っていう楽曲があったとして…
Aがレコード会社Bと契約して、B社が制作費全額を払って音源を作ったとします。そしたらこの音源はB社の所有です。
この音源を使うことに対する権利はB社にあります。
そして、Aがレコード会社をC社に移籍しました。その時、ベスト盤に「僕の曲」を入れたいとします。
その方法はざっくり二つあります。B社が持っている音源を借りて収録する契約をする。C社からB社に音源の使用料を払って。
もう一つはC社が全額制作費を出して「僕の曲」の新しい音源を作ります。そしたらこのC社版の「僕の曲」の音源はC社所有のものです。
まぁ・・・普通に考えたらわかる話なのですが…。

ここで制作費を例えばAとB社、とかC社で共同で出資して音源を作ったとします。
そしたらそれはAとB社、もしくはAとC社の共有物っていう事になります。
実際そういう場合はB社、もしくはC社が管理窓口となって、その音源で入って来た利益をAに分配するってことになるのですが、スプリット機能はその分配の作業をTuneCoreさんで直接やってくれるっていう話…に近い…はず。

 

全部、ざっくりな話ですけど…。

インディーズで個人でやってるDとEっていうアーティストが共同で音源を作って配信したとき、これまでならDかEが登録してその収益をどうするかっていうのは登録した側に入ってきてからの話だったところをサービス側でしてくれるというのは、トラブルが起きにくいし、共作のハードルが低くなるように思います。うやむやにしないでいいというか…。

今の時代、権利関係に詳しいインディーズアーティストは沢山いると思うので、だからこそこういう仕組みがあればレコード会社とかを通じないでも権利の共有が出来るから、裾野というか…きっかけとかは広がりだろうなぁ…と。

 

原盤のことに関してざっくりな話をしたので、ついでに…ですが。
YouTubeは著作権管理団体と契約しているのでユーザーは「歌ってみた」なんかを気軽に投稿できるけど…それはあくまでも自分が作った音源でないとNGです。
弾き語りとか自分でオケを作る(実際に作るとかミュージシャンの方にギャラ、あるなしはあるけど、作ってもらうなど…)

オケの音源の権利を正当に自分が持ってないとダメってことです。

CDに入ってるインストルメンタルは当然レコード会社のものだし、通信カラオケとかだとカラオケ会社の所有物だったりするので。
使用許可を得ればOKだし、開放してる場合があればそれもOKなんだけど。
買ったCDなのに…っていうけど、そこはまた色々細かい権利関係とかあって…。

 

今はYouTubeのコンテンツIDなんかは「原盤」を守る仕組みで…凄いですよね。これまでは無法地帯だったけど、今はレコードの音源アップしたらその音源の権利者はどこそこの会社で…みたいな感じで収益化して会社に還元できるようになってる。

全部ではないけど。コンテンツIDに引っかかる音源ならもしかしたら見過ごしてくれるのかもしれないなぁ…。ホントはダメだけどまあいいよ…みたいな。

 

勝手な想像も含んでる気もしますが、ざっくりな原盤に関わる話でした。
そういうところで勤めてた経験での話ではあるのですが、間違ってないよな?(^-^;

 

TuneCore Japanのスプリット機能の説明ページ